チョコレイト×ロマンス【短編】
私は転がっている紙袋に手をかけた。
中からきれいに包まれた紙箱を出す。
紙袋と同じ水色で、リボンは濃いブルー。
こんなの、家に持って帰っても悲しくなるだけだから
もう自分で食べちゃおう。
せっかく頑張ったから、捨てるのは寂しいし。
昨日の晩一生懸命に結んだリボン。
そのリボンを一気に引っ張ると、
ものすごく苦労したラッピングは、一瞬でくずれてしまった。
箱を開けると、中身はきれいに並べられたチョコレイト・ブラウニー。
これも昨日の晩、頑張って作ったもの。