ペネトレイト・エンジェル
「そんな事言うんなら、お前だって『アーサー』なんて名前なんだから『エクスカリバー』ぐらい使えよ」

 ムツキも負けじと言い返す。
 するとアーサーはカラカラと笑いながら答えた。

「あんな出力喰いの剣、俺達のガウェインで使える訳無いだろぉ、…俺は「レーエンキョ」で十分、な、の」

 ムツキが出した『エクスカリバー』は伝説の騎士王『アーサー・ペンドラゴン』が持っていた聖剣である。

 KT用の『エクスカリバー』はエネルギーソードと呼ばれる可電粒子の刃を持ち、震動ブレード以上の切断能力を持つが、機体の出力を大きく消耗するため使用が限定される代物だった。


 対して、アーサーが自身のガウェインに装備している『レーエンキョ』は、漢字で『冷艶鋸』と書き、中国の英雄『関羽雲長』が使用した『青龍偃月刀』の別名である。


 長い柄に大きな刃を持つこの武装は見た目そのままに震動ブレードとしてKTの装備にあった。

 剣と槍の両方の特性をもち、中国以外の国でも多く使われていた武器なだけに、KTパイロットにも好んで使用する者が多い。
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