ペネトレイト・エンジェル
「では、ハバノ軍曹、ついて来い」

 フレイヤはタカシマに敬礼をすると、ムツキに声をかけ退室した。


「ハ…?、ハッ!、タカシマ少将、失礼します!」

「ウム」

 フレイヤを追ってムツキが退室した後、副司令が入室してきた。

「どうゆう、事でしょうか?」


 副司令はフレイヤからの要請と、ムツキの実戦及び訓練データを見て首を傾げた。

 ムツキの兵士としての総合評価は『B』…、可も無く不可もない平凡な兵士に思える。

 飛び抜けた戦果も無く、戦闘で重症を負った記録も無い。

「ふん…、まあ…なぁ」

 タカシマもムツキの評価表を見ながら呟いた…が、ムツキの評価表は『見る者が見れば』ある一点が異常に高い数値である事が分かる。


 ソレに気づいたタカシマは、それと無く呟いた。


「まあ、地味な特徴だからな…」


「はあ…?」

 副司令は分からないまま、返事をした。

 フレイヤからの要請は『先程の戦闘に出撃していた、ガウェインMk-2:45番機のパイロットを一週間見極めさせてほしい』という事だった…。
< 39 / 65 >

この作品をシェア

pagetop