からんころん
「いやぁ、いつも晴紀ちゃんと一緒だからねぇ、違う人かと思った。ごめんねぇ実果子ちゃん」
「はは、大丈夫です…」
笑ってはいたものの、内心実果子はちょっとショックだった。
「…こ、混んでるねぇ。あ千夏ちゃん!あそこちょうど2つ空いてる!」
「本当だー。実果子ちゃんとっといて!お店忙しそうだから私手伝ってくる!」
「え、え!?」
千夏は慣れてるようにささっとエプロンをつけ、配膳の手伝いを始めた。
圧倒された実果子は呆然としていると、
「いらっしゃいませー」
次のお客がやってきた。
実果子ははっとし、慌てて空いてる2つの席をとろうとする。
「ごめんなさい、ここ…」
「あ、いいんですよ、どうぞお座りください」
おばあちゃんはその席に、次のお客を座らせた。
「実果子ちゃんは千夏ちゃんと奥でお食べ」
「あ…はい」
「ははは、実果子ちゃんお客様追い返すようなことしないでね!」
配膳しながら様子を見ていた千夏が笑いながらそう言った。
「…ごめんなさい、おばあちゃん」