からんころん
「今日はここまで。お疲れさん」
「あ、あの…」
「ん?」
「よくわかんないけど、私、力になれませんか?」
晴紀は実果子をじっと見つめ、固まっている。
「…なれないね!私じゃ」
「いや、そんなことないけど…ないけど…。俺明日…お見合いさせられるんだ」
「お見合い!?」
「俺断ったんだけど…ばあちゃんが強引でさ。あー気が重いよー…」
「そっか…、そういうことなら私は何もできないね、うん」
「実果子ちゃん…どう思う?俺お見合いした方がいい?」
「え?…いいんじゃないですか?何でもやってみれば…もしかしたら良い出会いになるかもしれないし!」
「そうかなぁ…。はぁ…」
「でもご両親じゃなくて他人のおばあちゃんが…お兄さんのこと本当に孫のように可愛いんですね」
実果子は単純にそう思った。
が、晴紀はどこか違和感をおぼえていた。
翌週末、実果子は図書館に1人でいた。
待てど待てど晴紀は来なかった。
連絡もないし、変だな…と、実果子はケータイを眺めていると…
「ブー、ブー、ブー…」