からんころん
「おおっびっくりした……。はいもしもし」
『実果子ちゃん、もしかして今図書館?』
「そうだけど…お兄さんまだ来ないんだけど…」
『ああ、お兄ちゃん寝込んじゃって行けないから』
「えっ、どうしたの!?風邪!?」
『まぁそんなようなもん。ごめんね、連絡するの忘れちゃって』
「そうなんだ…。お兄さんの具合は大丈夫なの?」
『うん。ちょっと疲れがたまっちゃったんだよ。ここのところ色々あったし』
「そういえばお見合いがどうこうって…」
『あーそうそう!お兄ちゃんがお見合いするなんて思わなかったー。てっきり実果子ちゃんのことが好きだと思ってたから』
「それはないよ!」
『そうだよね。お見合いの方、もしかしたら上手くいくかもしれないんだー』
「そう。よかったね!」
『うん。だから正直図書館とか……』
「え?」
『まぁいっか!もうちょっとだもんね!じゃ、今日はお兄ちゃんいないけど頑張ってね~』
「え、千夏ちゃん、どういう…」
ツー、ツー、ツー…
「意味…」