からんころん
実果子は考えた。千夏が言いかけた言葉…
自分は晴紀に余計な負担をかけているのかもしれない…と。
「誰が具合悪いって?」
「お、お兄ちゃ…帰ってきてたんだ」
「はぁ…。おまえさぁ、何企んでるわけ?」
「な、何が?私が何企むって言うの?私をそんなに悪者にしたいの?ひどいよお兄ちゃん」
「…話にならん。もういい」
晴紀の具合が気になった実果子は、翌日、差し入れを持って晴紀の部屋を訪れた。
「ほーい」
出てきたのは…誠也だった。
「…あれ?私部屋間違えた…ここ誠也くんち?あれ??」
実果子は混乱した。
「谷塚にーちゃんちに来たんだろ?間違えてねぇよ、入れよ」
「あ…おじゃまします…ってなんで誠也くんがここに居るの?」
「居ちゃ悪いかよ?」
「悪くないけど…もう!つっかかんないでよ!」
「おめーがわけわかんないこと言うからだろ」
「は?私のせい!?…もうわけわかんないっ!」
「おっ、何これ」
「あっ…」