からんころん
「胸貸すから泣きたきゃ泣け」
「…泣かないよっ!泣きたくなんかない…」
「うそつけ」
「うそじゃないもん!」
うそだった。本当はめいっぱいこらえていた。
「あっそ。なぁのど渇いた。ジュースおごってよ」
「はぁ?なんで私が…」
「あんたがこんなとこまで連れてきたんだろ、疲れちゃったよ。つーかここどこだよ?」
「はぁ…」
誠也の行動や態度に呆れながら、実果子は自販機へ。
「自分が勝手についてきたんでしょうに!」
と、ひとり愚痴りつつも…まぁいいかと、実果子の心は少しほぐれていた。
「おっ、サンキュ~」
誠也の、無邪気に飲む姿がかわいく見え、実果子はついみとれていた。
「…何だよ?」
「え?べ、べつに…ていうかあんたね、仮にも私はあんたより2つも上なのよ!」
「それがどうした?」
「…どうもしないよ!…ところでなんでお兄さんの所に居たの?」
「実は俺たち…愛し合ってんだ」
「ええ!?」
「はっはっはっ、んなわけねぇだろ。真顔で驚くな。俺家出したから…」