からんころん

「晴さんが負担だ迷惑だって言ったのか?」

「お兄さんは…言ってないけど、昨日だって具合が悪くなるくらい疲れがたまってたみたいだし…」

「なんだそれ?具合が悪かったって、晴さんが?“ソバヤノバアチャン”じゃなくて?」

「へ?」

「昨日は晴さん、ソバヤノバアチャンが具合悪くなったって連絡受けてすっとんで行ったけど…晴さんは全然元気だったぞ」

「…………」



どういうことなのか、実果子の頭はまた混乱してきた。



「…なんかよくわかんねぇけど、本当の気持ち晴さんに伝えた方がいいぞ。帰ろう」

「…でも」

「でももくそもねぇ!晴さんがもうヤダっつうまでしがみついてりゃいいんだよ!」

「ええ…!?」



誠也は実果子の手をとり連れて帰ろうとする。



「つーかここどこだよ!?」








かなり遠くまで来ていた2人が帰り着いたのは、もう夕暮れ時だった。



「ただいま…っと」



来客だった。



「おかえり」



晴紀が玄関へ出てきた。誠也は置いてある女性用の靴を指差し、



「俺居ない方がいい?」



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