からんころん

「今は誠也んちでもあるんだ。一緒に暮らしてるから」

「えーなんでなんで!?」

「千夏!今日父さんと映画の約束してたんじゃねぇの!?」

「あーそうだった!…でももういいじゃん?」

「よくないよ、父さん「千夏と久々デートだ~」って楽しみにしてたぞ!ほら早く行かないと」

「えー…わかったよ。じゃみなさんまたね~」



千夏は半分追い出されるようにして帰っていった。

千夏がいなくなると急にシーンとなり…



「あ…お茶私が入れましょうか、ね!」



さゆりが動きだす。



気を利かせようと思った実果子は誠也の腕を引っ張り、



「誠也くん、あ…遊び行こう!」

「今からぁ?俺今日疲れた。あんたのせいで」

「そんなこと言わずにさぁ!」



気づかない誠也にウィンクする実果子。



「はっはっはっ。色気使っても無駄。つーか全然色気ねぇし」



鈍すぎる誠也に実果子はブチ切れ、誠也の足をおもいっきり踏んだ。



「いって!何だよっ!?」

「ははは、実果子ちゃん、気ぃ遣わなくていいから。この人とは何でもないから」



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