からんころん

さゆりは、むっすりしていた。



「それに、遊んでる時じゃないだろ。試験まであと少ししかないんだから」

「お兄さん…」

「最後まで諦めないで一緒に頑張ろ?」

「…………」



実果子はまだ迷っていた。






「…お茶どうぞ」

「…ありがとう」

「夕ご飯は何がいいですか!?」



さゆりは状況構わずどんどん先に進める。



「今日牛肉の特売だったんですよ~!」

「どういうつもりか知らないけど、俺あなたと結婚する気も付き合う気もありません。…早く帰らないと電車無くなるよ」



晴紀はさゆりにビシッと言った。

さゆりは、



「…お兄ちゃんは照れ屋さんだって千夏ちゃんが言ってました。わかりました。今日のところは帰ります!では…」



晴紀の気持ちは全然届かず、さゆりはあっけらかんとして帰っていった。






「…うまくいってるように見える?」

「…………」

「なんか…後ろで何かが勝手に動いているようだけど、気にしないで試験までしっかり勉強続けよう?俺は最後まで諦めたくない」



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