からんころん
「…私も諦めたくない…よろしくお願いします」
「お~よしよし、よく言った!」
横から誠也が実果子の頭をなでなで…
苦笑する実果子。
「誠也、おまえもだろ」
「ういーっす」
「…誠也くん、もしかして?」
「俺もやっぱり受験することにしました!」
「本当に!?」
「合格して、親やみんな見返すんだ!」
「まぁ理由はどうあれ挑戦することは良いことだ。2人とも頑張れよ!」
「俺より下級生にならないでね、お姉様」
「むっ…絶対ならないもんっ!!」
闘志を取り戻した3人は、横風も覚悟して進むことを決意した。
季節は冬真っ只中…
あれからどういうわけか時々、千夏が週末の図書館に現れるようになった。
「おまえ気まぐれだなぁ」
「いいでしょ!ここに来れば実果子ちゃんにも会えるし。ねー実果子ちゃん」
「うん…」
実果子に対する態度も、やたらとなついてくる。
けれど、あの嘘電話でかき乱されてから実果子は、千夏のことがわからなくなっていた。