からんころん
「ごめんなさい、私がヘンだとか言ったから…」
「いや、実は俺も少し感じてたんだ。何かある……」
その時、晴紀の頭によぎった。
ーーまさか…
「…お兄さん?」
「実果子ちゃん、この前さ…」
「ごっめーん、今日は遅くなっちゃった」
千夏がやってきた。
「あれ?どうしたの黙っちゃって。気まずい雰囲気だったとか?」
「んなわけないだろ。勉強してんだからおまえみたいにペチャクチャ喋んないの!」
「何よそれ、人を口だけ人間みたいに。はいはいお勉強しますよー、実果子ちゃん、どこやってるの?」
「ここだよ」
「ふぅん。あ、今日は高田くんはいないんだ!」
「昼から来るってさ」
「えー怠け者ねぇ」
「今日は午前中バイトだよ!おまえ本当黙れ」
「はいはい」
周りにいる来館者が若干名睨んでいた。
それからは千夏も黙り、黙々と続け、正午になり…
「よし。昼休みにしよう」
「あーお兄ちゃん。今日はコンビニ行かなくていいよ」
千夏はおもむろに弁当箱を取り出した。
「おまえ弁当作ってきたの?」