からんころん
「こんなとこで昼メシ?寒くね!?」
「まぁね…。誠也メシ食った?よかったらこれ食って?」
「マジ?腹減ってたー。晴さん食わねえの?」
「あ…ちょっと食欲なくて」
「ふーん。大丈夫か?」
本当は腹ペコな晴紀だった。
昼食を終え、実果子と千夏が図書館に戻ってきた。
「ただいまー」
「おかえり。パスタうまかった?」
「そりゃあもう。お兄ちゃんもおいしかったでしょ。料理上手の奥さんもらうといいよ~」
けしかける千夏だけど、晴紀は無視している。
「さ、午後も頑張りましょう」
「あれ、誠也くんまだ来てないんだ?」
「あいつトイレ。あ、来た来た」
「じゃー私帰るわ」
「え、なんでだよ?」
「用があるの!じゃ頑張ってね~。あ、実果子ちゃん、あれよろしく!バイバーイ」
「バイバーイ…」
千夏はいそいそ帰っていった。
「あいつ、俺のこと避けてんのか?」
誠也がそう思うくらい。
「用があるんだってさ。さ、始め…ごめん、今度は俺がトイレ!やってて」
「…忙しい兄妹だな」
晴紀はトイレへ駆け込んでいったけれど、その時千夏はまだそこにいた。