からんころん

「腹減った…メシ食い行こ!」



この日の終わりの号令はこれだった。



「晴さん食欲出てきたんだ?よかったっすね!」

「おぅ!今日は3人で…そば屋行こう!」

「え…」



実果子が不安そうになる。



「大丈夫だよ!俺がついてるから」

「おっ何それー?晴さんかっこいー。つーか、そこって恐いとこなの?」








誠也の疑問はさておいて、3人はそば屋へ着いた。



「ばあちゃん、いつものそばー」

「はいよー。あら、お友達?」

「ああ。誠也っていうんだ。俺と同じ家出少年」

「まぁそうなの?誠也くんもそばでいいのかい?」

「うぃーす。伊勢えび天とかのっけてもらえたら…」

「あるわけないだろ」

「あるよ。…て何かみたいだねぇ、あはははは…」



おばあちゃんは1人で大笑いして厨房へ戻っていった。




「…あれ、実果子ちゃんは?同じのでいいの?」

「あ、はい」

「ばあちゃーん、実果子ちゃんも同じのねー」



……………



応答はない。



「ばあ…」

「あ…いいです。私言ってきます」

「大丈夫?」

「はい…」



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