からんころん

誠也は千円札をひらひらさせている。



「お金もらったの!?」

「うん。これで…出てけって……あれ、何か腹立ってきた」

「遅いよ。……もう、こうなったらヤケ食い行こう!千円じゃ足りないけど…」










ひとり残された晴紀は、さっさと帰ろうと急いで食べている。

それに気づいたおばあちゃんは、さゆりにデザートを持たせた。





「サービスです。食後にどうぞ」

「えっ、もういいよ…!」



続いておばあちゃんがもうひとつ持ってきた。



「さゆりちゃん、休憩して晴紀ちゃんと一緒にお食べ」

「いいんですか?ありがとうございます」



テーブル席に、さゆりは晴紀の横に座る。



「ん、おいしいですねぇ!」

「……………」



晴紀は黙々と食べる。



「…ごちそうさま」

「え、もう食べ終わったんですか!?」

「うん。あ、ちょうどよかった。これ返す。洗ってないけど」



晴紀は、昼の弁当箱を出した。



「あ、どうでしたか?実はゆうべから仕込んでたんですよ!」

「ああ、食べてないからわかんない」



< 135 / 227 >

この作品をシェア

pagetop