からんころん
誠也は千円札をひらひらさせている。
「お金もらったの!?」
「うん。これで…出てけって……あれ、何か腹立ってきた」
「遅いよ。……もう、こうなったらヤケ食い行こう!千円じゃ足りないけど…」
ひとり残された晴紀は、さっさと帰ろうと急いで食べている。
それに気づいたおばあちゃんは、さゆりにデザートを持たせた。
「サービスです。食後にどうぞ」
「えっ、もういいよ…!」
続いておばあちゃんがもうひとつ持ってきた。
「さゆりちゃん、休憩して晴紀ちゃんと一緒にお食べ」
「いいんですか?ありがとうございます」
テーブル席に、さゆりは晴紀の横に座る。
「ん、おいしいですねぇ!」
「……………」
晴紀は黙々と食べる。
「…ごちそうさま」
「え、もう食べ終わったんですか!?」
「うん。あ、ちょうどよかった。これ返す。洗ってないけど」
晴紀は、昼の弁当箱を出した。
「あ、どうでしたか?実はゆうべから仕込んでたんですよ!」
「ああ、食べてないからわかんない」