からんころん
「告げ口したのかい」
「告げ口って…そういうわけじゃ…」
「あの女はね晴紀ちゃん、企んでるんだよ!」
「……は?」
おばあちゃんは血相を変えて言う。
「…ははは、ばあちゃんおもしろくない冗談言うね!」
「冗談なんかじゃないんだよぅ、あの女は詐欺の常習犯なんだよ!だからだめなんだよっ!」
興奮するおばあちゃん。
「ばあちゃん、落ち着いて!」
「私ゃ落ち着いてるよ!…それに気は利かない頭は悪いズボラ性、女としても最低なんだよ!」
ボロクソだった。
「千夏ちゃんも心配してるからやめときな!」
「…千夏が?」
おばあちゃんは両手で自分の口を押さえた。
「いや…お兄ちゃんに言うとショックを受けるから黙ってて、自然と気持ちが離れるように良い人を紹介してって千夏ちゃんのアイデアなんだよ。兄思いの良い妹じゃないか!」
晴紀は、わかってきた。
「ふーん…」
「な?悪いこと言わないから…。みんな晴紀ちゃんのことが心配なんだよ!」
おばあちゃんは今にも泣きそうに言う。