からんころん
「ばあちゃん、心配しなくていいから。俺は大丈夫だから」
「晴紀ちゃん…!」
「実果子ちゃんは詐欺なんかじゃない。この半年くらい俺ずっと見てきたけど、そんなことできるような娘じゃない。ばあちゃんだって見てきただろ?」
「騙されてるんだよ~…!」
「ばあちゃん!」
思い込むとなかなか曲げないおばあちゃんの誤解を解くのに…半日がかりだった晴紀。
「もうわかったよー、おまえのことを信じたらいいんだね…?」
「そうだよー、はぁー、ありがとうばあちゃん…」
「あら!もう昼過ぎてるじゃないか!店が大変だ!あー!!」
「ああ…ごめんね、気をつけて…」
おばあちゃんは物につっかかりながら、慌てて店へ出ていった。
「ほっ………」
すっかり疲れた晴紀は、しばらくそこで考えた。
ーー千夏のことがわからない…
「あっ……まいっか」
「えっ!?」
「ああ、大丈夫大丈夫!」
実果子は千夏のお願い事をきいていた。
それは、技術を磨きたいから髪をいじらせて、ということだった。
実果子は、久しぶりにすがりついてきた千夏に思わず喜び、快く受けたのだ。