からんころん

「はいっ!できましたー!」

「わー、ありがとう………!?」



出来上がりを鏡で見た実果子は…腰を抜かしそうになった。



「す…すごいイメチェン…」



黒のセミロングだった実果子の髪はベリーショートになり、色も赤になっている。



「ごめん…気に入らなかった?」

「や…、気に入った!こーゆう髪型初めてだからびっくりしたけど…いいかも!」

「でしょ?よかったぁ。かわいいよ実果子ちゃん」

「ありがと…」





正直実果子は気に入ってなかった。
けど目を潤ませて謝る千夏にそんなこと言えなかった。










「あーら!実果子ちゃん変わったわね!」

「はは…どうもおじゃましました」

「また遊びにおいでね」

「はい」



実果子が外に出ようとする時、谷塚母が



「千夏ー、救急箱に目薬がないんだけど」

「ごめんごめん、ちょっと借りてたー」



という会話が聞こえてきた。





実果子は



「……疑っちゃだめだ!たまたまだ!」



と自分に言い聞かせながら帰った。




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