からんころん
次の日は週末。
「はっはっはっはっはっ!」
「そんな大声で笑わないでよ!周りに迷惑でしょ…!」
「だ…だって…くっくっくっ」
誠也は実果子の頭を見て笑いが止まらないようだ。
「それで、ナンチャッテ美容師さんは今日は来ねえな…くくく」
「しっ!」
その時、千夏はそばまで来ていた。
「なになに!?なんか楽しそうだね!」
「ああ、もうバカウケだよ。こんな笑ったの久しぶりだぜ。ありがとな谷塚。…くくく」
「?」
いきなり誠也にお礼を言われ、きょとんとする千夏。
「ごめん、ちょっと遅くなっ……」
遅れてやってきた晴紀は、実果子を見るなり動きが止まった。
「おはようございます…」
「ど…どうしたのそれ!?」
「へへへーん、私がやってあげたんだよ。上手でしょ!」
「千夏が!?…よかったの!?実果子ちゃん」
「もー実果子ちゃん大喜びしてくれたよ!こんな髪型初めてだって」
「…色すごいね」
「こーゆうのも案外実果子ちゃん似合うんじゃないかってねー」
千夏がひとりでしゃべっていた。
そして横で笑いをこらえている誠也。