からんころん

実果子はたじたじしているばかり…



「勉強……勉強始めよう」









そして1日終えると、千夏は真っ先に実果子をそば屋に誘った。



「だめだよ!」



嫌な予感がした晴紀は、とめた。



「なんでお兄ちゃんがそんな言うの?私は実果子ちゃんを誘ってるのよ!」

「実果子ちゃんは今日俺と用があるんだ」

「え~、何それ、あやし~」

「実果子ちゃん、帰ろ」

「え…!?」



実果子はわけがわからず、用があると言う晴紀のあとをついて行くだけだった。



思い通りにならなかった千夏は、怒り任せに本を投げた。



「…恐っ。俺もかーえろっ」



誠也もさっさと帰り、千夏はひとりになった。







一方晴紀は、実果子を自分の部屋に連れてきていた。



「実果子ちゃん、正直その髪の色どう?」

「えっ…と…、ちょっと戸惑ってます…」

「うん。全っ然似合ってないよ。おいで」

「え…?」



洗面所で、晴紀は実果子の髪の脱色をし始めようとする。



「い、いいです!千夏ちゃんに悪いから…」

「いいから座れ!」

「は、はい…」



< 143 / 227 >

この作品をシェア

pagetop