からんころん
いつになく強い口調の晴紀。
「すごい色だな。練習なら自分の髪ですりゃいいのにな」
「千夏ちゃんは学校があるから…。私がいいよって言ったんです」
「ごめんな…」
「いいんです、私は…」
「いや…、この前ばあちゃんと話したんだ」
「え…」
「俺の見合いのことも、ばあちゃんが実果子ちゃんに冷たくなったことも、千夏が仕向けたことだった」
「まさか…、そんな、疑うの良くないです!」
「実果子ちゃんも最近の千夏の行動は変だと思わないか?いつかの電話にしても…」
「…………」
それ以上否定できない実果子。
「何考えてんだろうな…俺最近千夏のことがわからん…」
「…私のことまだ怒ってるのかな」
「それは違うな」
「うわっびっ…くりしたぁ!」
いきなり誠也の声がして2人は驚いた。
誠也は2人のすぐあとに帰りついていた。
「すまん、聞こえちゃったもんで…」
「それはいいけど…誠也、何か知ってるのか?」