からんころん
「え…」
「あくまでもあれは俺の推測だから。そう深刻になるなって!それよりさゆりの方はケリついたの?」
「ああ…それもあったな…。もう、こんな大事な時期に色々ゴチャゴチャとぉ…!」
晴紀の心の叫びだった。
その日の深夜、更にゴチャゴチャするようなことが起こった。
谷塚の実家から晴紀に電話が鳴った。
「千夏が帰ってない?…ってもう12時過ぎてるじゃない!」
もう寝ようとしていた晴紀は、慌てて寝間着のまま千夏を探そうと飛び出した。
そば屋…
店も自宅ももう真っ暗だ。
おばあちゃんを起こして心配をかけるわけにはいかない。
千夏のケータイは、電源を切っていた。
塾…もとっくに閉まっている。
友達のところ…といっても、特定の友達は実果子しか知らなかった。
思い当たるふしはなく、晴紀はとりあえず、ひたすら街中を走り回った。
そして1時間後…
「……いた!」
千夏は繁華街をふらふら歩いていた。