からんころん
居心地
「どうすっかなぁ…」
途方にくれていた。
「ごちそうさまー!なんだなんだ言っておいしかったよお兄ちゃん」
「なんだなんだって…」
「ねーもう帰ってい?あっ、パパ怒るかなぁ、朝帰りなんかしちゃって…」
「俺んとこいるって言っといたけど…」
「本当!?さすがお兄ちゃん!」
「千夏…」
「じゃ、安心して帰れるね!ありがとね、お兄ちゃん」
結局話という話はできなかった晴紀。
「千夏!」
千夏が玄関を開けると、ちょうど実果子が来たところだった。
「千夏ちゃん!よかったぁ、無事だったんだね!」
千夏の顔はこわばった。
「俺がゆうべ千夏来てないか?ってメールしたんだ。電話通じなかったから…」
「私ゆうべ早く寝たから気づかなくって、今朝見てびっくりして…」
「ごめんね心配かけて…。俺もパニクってたから…ほら、千夏も謝れよ」
「なんで私が謝んないといけないのよ…」
千夏は不機嫌そうにボソッと言う。