からんころん
2人とも息は大あがり。
「ごめん…ごめんね、千夏ちゃ……私千夏ちゃんを傷つけてばかり…」
「あは?私傷ついてなんかないよぉ!はっはっはっ」
笑いとばす千夏。
「…ううん。傷ついてる」
「ははは……?」
「なんか私にできることがあったら言って?友達でしょ?私、千夏ちゃんに髪の毛やってもらって本当に嬉しかったんだよ!」
「ともだち…」
「そうだよぉ」
千夏の手をとる実果子。
千夏は笑みを浮かべる。
「わかった。何かあったら言う」
「うん!どんどん言って!」
「じゃ早速だけどタクシー呼んでくれる?走ったら足痛くなっちゃった」
「う、うん…」
実果子は千夏の悩みや苦しみをわかりたくて、打ち明けてほしいという意味で言ったのだけど、以来千夏は何かというと実果子を呼び出し、こき使うようになるのだった。
「じゃ、ありがとね。バイバ~イ」
タクシーが来ると、千夏は自分だけ乗りさっさと自分でドアを閉めた。
「えっ?あ、ちょっ…」
実果子は置いてタクシーは発進。