からんころん
けどこのまま子供たちをおいて逃げるのもどうかと…
「…他ので遊んだら!?ねっ!」
「すべり台がいいんだよー!」
「なんでよ、もう…」
追いつめられる実果子。
「おねえちゃん、おねがい」
「う……わかったよ」
実果子はもう、覚悟した。
「あの…起きてください」
男は全く気づかずに眠り続けている。
「そんなんじゃ起きないよー」
「叩いちゃえよ!」
「ええ!?」
本当に無茶苦茶に言う子供たち。
実果子はやむなく男の腕をトントンし、
「も…もしもーし、起きてください」
「うーん…」
反応は少しあったものの、男は起きようとしなかった。
次第に子供たちはイライラしてきた。
「もーどいてよー!」
「こらオッサン!なまけもの!」
「どけくそジジイ!」
「うるせーっ!!」
「キャーーー!!」
子供たちのヤジにブチキレた男は飛び起き怒鳴り、子供たちはいっせいに逃げていった。
「ったく、誰がジジイだよ。……ん?」
実果子もびっくりして腰を抜かしていた。