からんころん

けどこのまま子供たちをおいて逃げるのもどうかと…



「…他ので遊んだら!?ねっ!」

「すべり台がいいんだよー!」

「なんでよ、もう…」



追いつめられる実果子。



「おねえちゃん、おねがい」

「う……わかったよ」



実果子はもう、覚悟した。






「あの…起きてください」



男は全く気づかずに眠り続けている。



「そんなんじゃ起きないよー」

「叩いちゃえよ!」

「ええ!?」



本当に無茶苦茶に言う子供たち。
実果子はやむなく男の腕をトントンし、



「も…もしもーし、起きてください」

「うーん…」



反応は少しあったものの、男は起きようとしなかった。



次第に子供たちはイライラしてきた。



「もーどいてよー!」

「こらオッサン!なまけもの!」

「どけくそジジイ!」

「うるせーっ!!」

「キャーーー!!」



子供たちのヤジにブチキレた男は飛び起き怒鳴り、子供たちはいっせいに逃げていった。





「ったく、誰がジジイだよ。……ん?」



実果子もびっくりして腰を抜かしていた。



< 154 / 227 >

この作品をシェア

pagetop