からんころん

その後、さゆりはそば屋も辞めていた。



「仕事辞めてまでここに来てくれてたのによぉ、あんないい娘ふるなんてどうかしてるよ!」

「…そもそも千夏とばあちゃんが仕組んだことだったんだろ!本当、さゆりさんには悪いことしたよ…」

「ばあちゃんはねぇ、本当にいいと思ったんだ。ちょうど…実果子ちゃんのヘンなウワサ聞いちまったし…」

「あんなヘンなウワサ真に受けるなんてどうかしてるよ…」

「…ごめんよ、晴紀ちゃん」

「謝るなら…実果子ちゃんに謝ってよ」

「ああ…、そうするよ」



おばあちゃんはしゅんとした。


悪いのはばあちゃんじゃない…

キツい言い方をしたのを晴紀は後悔した。







「ばあちゃん…今日はごめんね。なんか俺ピリピリしてて…」

「わかってるよ。…今度は実果子ちゃんも連れておいで」

「うん…」





色んな人をかき乱した…



なんとしてでも千夏と話さないといけない、と晴紀は実家に帰った。




「千夏、帰り遅くない?」



< 159 / 227 >

この作品をシェア

pagetop