からんころん
「そうねぇ、ここのところいつも遅いのよ」
「大丈夫なの?ちゃんと見といた方がいいよ」
「大丈夫よ。ここのところ毎日実果子ちゃんがうちまで送ってくれてるから」
「え?」
「千夏もそこまで思ってくれるお友達ができてよかったわね!」
「…………」
千夏は毎日実果子を呼び出し、学校帰りや塾帰りを付き合わせていた。
「ただいま~。じゃあね~、実果子ちゃん」
「じゃあね~じゃないだろ、こんな遅くまで」
「お、お兄ちゃん…なんでいんの!?」
「実果子ちゃんごめんね」
「いえ…」
「夜道大丈夫か?」
「大丈夫です!」
「大丈夫じゃないよ!お兄ちゃんちょーどよかった!送ってあげなよ!」
「おまえが言うか…。いや、でも送るよ実果子ちゃん」
「でも…」
「そーしてもらいなよ実果子ちゃん!じゃ、おやすみ~」
千夏はそそくさ2階の自分の部屋へ上がっていった。
「うまく逃げたな、あいつ…」
「え?」
「いや…、なんか最近千夏が振り回してるみたいでごめんな」
「振り回すだなんて…友達ですもん。最近すごく仲良くしてくれるんで私嬉しいんです」