からんころん
長い夜
「…あら?俺は居ない方がいい感じ?」
「何言ってんだよ、誠也も居るんだよ!今日のテスト返すんだから」
「なんだー、それか」
「あと、テストの他に実果子ちゃんに渡したいものもあるから…」
「はい…?」
「おーなんだなんだ?俺には!?」
「…………」
「冗談…だよ」
なんだか晴紀は深刻な表情で、誠也の軽いノリもそこまでだった。
翌日、実果子はアルバイトが終わってから晴紀の所へ行った。
「こんにちはー」
「どうぞ。遅かったね」
「すみません、バイトが入っちゃって…」
「そう。誠也もバイトからまだ帰ってこないんだ」
「そうなんですか」
「まぁそこらにくつろいで。今恐怖の答案持ってくるから」
「えへへへ?」
実果子は半分は冗談だと思っていた。
自信はなかったけど、結構頑張ったつもりだったから…
「はい。残念だけど合格ラインには達しなかった」
「え…」
実果子は答案を手にし、ショックで真っ暗になった。
「ただいまー。いやぁまいった。ちょっとヘマやっちゃってさぁ…お、実果子。…さては結果悪かったんだな?」