からんころん
「…千夏の部屋にあったんだ」
「ええ!?どういうこと…??」
「スリは、千夏が仕組んだものだった」
「…まさか!そんなことあるはずないですよ!」
「…………」
「…お兄さん、自分の妹疑うなんて良くないです!」
「俺だって疑いたくないよ!でもここのところの千夏を見てると疑わざるを得ない。実果子ちゃんがすられたものが千夏の部屋にあることも不思議だろ?」
「そんな…、どうして……?」
「最近…千夏やたら実果子ちゃん振り回してただろ。それがこのテストの結果なんだ。正直そのせいで勉強できてなかったろ?」
「…………」
「ちょっと前の実果子ちゃんは俺から見たらいけると思ってた。だから自信無くすことない」
「そおだよっ!2回も転んで起き上がっといて今更何言ってんだよ!」
「誠也!」
「…すまん。ちょっと言い方悪かったかな…」
「問題は千夏だ」
「千夏ちゃんは悪くないです!勉強しなかった私が悪いんです!…ほら、財布もケータイも戻ってきたし…これからはちゃんと頑張るから、なかったことにしましょう!」
ープルルル…
「…ちょっとごめん」