からんころん

「うっせぇな、やってっだろ!なんかおめぇ俺にはキツくねぇ?」

「そんなことないよっ!」



実果子もなんだか気が立っていた。






「いただきますっ」

「……ぶっ、ケホッ、ちょっと…辛かったね、ごめん」

「ん?カレーだもん、これくらい何てことねぇよ!うまいうまい」



あまりに辛くて実果子は途中で食べるのをやめてしまったけど、誠也はガツガツ食べている。



「あれ?食わねえの?ちょうだい」

「…よっぽどお腹が減ってたんだね」



誠也の食べっぷりが面白くて不思議で実果子に笑顔が戻っていた。





「あースカッとしたー!あっち~」



誠也は脱ぎだした。



「ちょっ…と、脱ぎすぎでしょ…!」

「え?汗かいたからシャワー浴びようと思って」

「だからってここで脱がなくても…」

「あーそうか!おまえ一応女だったな!」

「はぁっ!?一応って何よっ!?」

「はっはっはっ」



誠也はパンツ一丁で浴室へ逃げていった。



「もう、ガキなんだから…。お兄さん早く帰ってきてぇ…」




リビングでひとりになった実果子は、ふとさっき晴紀に渡されたものが目に入り、また考えこむ。



ーーなんで?千夏ちゃん…



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