からんころん
「おめぇが千夏のしつこいおっかけか?」
千夏と同じ学校の女子3人だった。
「おめぇみたいなのはお仕置きしてやんなきゃな」
「こっち来いっ!」
「やめなよ!」
連れていかれそうになったところ、千夏がとめた。
「千夏ちゃん…」
かばってくれたんだと喜んだ実果子だけど、
「そんなことしたら私が疑われるんだから、その人にかまわないでくれる?」
そうではなかった。
「…わーかったよ」
「じゃーな!」
3人はすごすご退散した。
「千夏ちゃん!私…」
「…友達だと思ってたのに!」
千夏はボロボロ泣きながらそう言い、走り去った。
「待って千夏ちゃんっ…!」
実果子は追いかけたけど、あっという間に千夏の姿を見失った。
「ど…どうしよう……!」
「どうしたんだ?」
偶然、学校帰りの誠也が通りかかった。
「誠也くん、千夏ちゃん見なかった!?」
「あいつなら向こうの通りにいたぞ」
「…あっちね!」
「何かあったのか?」
「私千夏ちゃん傷つけて…泣かせちゃって…」
「え?…あいつそんな様子じゃなかったけど」