からんころん

「何言ってんだよ、おまえあいつのことわかりたくねぇのかよ?」

「だからって…」



実果子がためらっているその時、



「あいつんちって金持ちじゃなかったっけ?」

「バカなことしないで親にすがりゃあいいのに」

「落ちてくなぁあいつも」

「ま、どうでもいいけど」

「ははは」



さっき千夏と一緒にいた人たちが話しながら通り過ぎようとした。



「何すんだ!?あいつ」

「は?何!?」

「谷塚だよ!あいつ何かすんのか!?」

「あんたら誰?」

「得体の知れない人に個人のことを言えるわけないでしょ」

「俺たちはあいつのダチだよ!言えよ!あいつ何かヤバいこと…」

「千夏に心配してくれるダチなんていたんた?ははははは」



大笑いする連中。



「なんで…?あなたたちは友達じゃないの?」

「んなわけない。あいつに友達なんていねーよ。ははは」

「そんなことはどうでもいい!あいつどこ行ったんだ!?」

「言えない。口止めもらったし」



高級時計をぶらぶらさせていた。それを誠也は奪い取る。



「あっ何すんだよ!」

「これは谷塚に返す。言え!」



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