からんころん

千夏とその男は中へ入っていった。



「おぅ、待て待てー!!」



誠也は突進していった。



「!?」

「なんだおめぇは?」

「こ、こんな人知らない、早く行こ!」

「千夏ちゃん!バカなことはしないで!」

「もっ……もぉおおおっ!!」



千夏はひとり逃げ出した。つかさず追いかける実果子。



「こ…こらぁー!!待っ…」

「おいオッサン」

「な…なんだくそガキぃ!邪魔しやがって…」

「んあ?」



誠也は睨むだけ睨みつけて



「さいならっ!」



逃げた。



「こらぁー!!」

「あの少年がどうかしましたか?」



お巡りが偶然通った。



「な、なんでもないです、ハイ…」









千夏は逃げ続け、実果子は追いつけずにいたけれど、なぜか前から来た誠也と、千夏がぶつかった。



「…ったぁ!」

「へへーん、もう逃げらんねーぞ」

「なん…なんなのよ、もうっ!!はぁ、はぁ…」



ひとこま遅れてやっと実果子は追いつき、千夏の腕をがっちり掴んだ。



「つ…つかまえた…はぁ、はぁ…」

「遅せぇんだよおまえは」



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