からんころん
「わ…笑ってないよ!」
「嘘つき!」
「だ…って誠也くん上手だから」
「だほ?おへをなへんなよ」
誠也の口はポテトでいっぱいになってもごもごしている。
「ふざけないで!私はあんたたちと遊んでる暇なんてないんだから!」
「ゴクッ。何にそんなに金が要るんだよ?吐くまで帰さねぇぞ」
「もおっ!」
千夏は財布を出した。
「…なんだよ?」
「これごとあげるからそこ通して!」
「…噂は本当だったんだな」
「何がよ?」
「知らねえの?おめぇにたかると儲かるって噂。俺の学校まで広がってるぞ」
「…っ」
「誠也くん…それ何?」
「こいつ…」
「うるさいっ!!そんなデマ…っ」
千夏は取り出した財布をしまい、扉の前を塞いでた誠也をはねのけ、出て行った。
「千夏ちゃん!」
その後、千夏の姿は見つからず…
「………家にもまだ帰ってないらしい」
晴紀にこのことを伝えた。
「ごめんなさい!私、千夏ちゃんのこと何も気づいてあげられなくて…。千夏ちゃん、あの様子じゃ何するかわかんない…!」