からんころん
「俺が悪いんだ…俺が追いつめちまったから…。俺もう1回探してくる!」
「私もっ!」
「待って、大丈夫だよ千夏は…ちょっとほっとこう…」
「晴さん…なんでそんなに冷静でいられるんだ?あいつ援交までしようとしてたんだぞ。俺は…探す」
誠也はひとりで出て行き、実果子は…晴紀と誠也の狭間で一瞬迷ったけど、
「…私もやっぱり探…お兄さん!?」
振り向くと、晴紀は床に座り込んでいた。
「具合悪いんですか!?」
「ちょっとね…。でも誠也の言うとおりだな。やっぱり俺も…」
晴紀は立ち上がろうとするけどふらついている。
実果子が支えると、晴紀は熱かった。
「お兄さん、熱あるんじゃ…!?」
「ざっと…39度はあるかな。はは…」
「大変…、休んでください!」
実果子は、千夏のことが気になりながらも晴紀のこともほっとけなかった。
『おい、いたか?』
「あ…ごめん、私探してない…」
『はぁ?なんでだよ!?』
「お兄さんが高熱で大変なの…」
『え!?…わかったよ、俺ひとりで探すから』
「ごめん…お願いね!」