からんころん
「実果子ちゃん…帰って。うつるといけないし…」
「大丈夫です私は」
「…な?大事な時期だしさ…俺心配しちゃう」
「…………」
晴紀は病床で実果子を気遣っていた。
仕方なく実果子は帰ることに…
今からでも千夏を探そうと思った。
そっと玄関に向かい、出ようとした時、
「実果子ちゃん…」
晴紀が呼んだ。
実果子は慌てて戻る。
「どうかしましたか!?」
「…………」
「……?」
晴紀はぐっすり眠っている。寝言だったようだ。
「…やっぱり私、います。いいでしょ?」
こうして、実果子は一晩中晴紀のそばにいた。
「…ごめんね、迷惑かけちゃって」
「そんな。…前は私が熱出した時お兄さんが助けてくれたからお返しです!」
「おかげでだいぶ気分が良いよ。ありがとな」
「よかった…」
「目ぇ覚めた時実果子ちゃん居てくれて嬉しかったなぁ…」
「え?」
「いや…、千夏…どうしたかな?」