からんころん

「それが、電話つながんなくて…、誠也くんにもつながんなくて…」

「俺この前キツく言い過ぎたかもな…」

「私も…千夏ちゃんひっぱたいちゃった…」

「え…!?」

「だって援交なんて、そんなこと…ごめんなさい…」

「…ありがとう」

「…え?」

「実果子ちゃんは本気で千夏のこと思ってくれてるんだね。あいつバカだよ。でも軽蔑しないでやってな。千夏が援交しようとしたのは俺のせいだから…」

「…お兄さんの?…なんで?」

「ただいまー」



誠也だ。


実果子と晴紀は慌てて玄関へ駆け寄る。



「誠也くん!千夏ちゃんは!?」

「…早く入れよ!」



外で蟠っていた千夏を誠也は引き入れた。



「千夏!」

「千夏ちゃん!」



実果子は思わず千夏を抱きしめた。



「無事なのね?よかったぁみつかって…!」

「…きやすく触んないでよ」




千夏がつぶやいた。



実果子はビクッとした。






「千夏、実果子ちゃんずっと心配してたんだ。そんなこと言うな」




< 195 / 227 >

この作品をシェア

pagetop