からんころん
「それが、電話つながんなくて…、誠也くんにもつながんなくて…」
「俺この前キツく言い過ぎたかもな…」
「私も…千夏ちゃんひっぱたいちゃった…」
「え…!?」
「だって援交なんて、そんなこと…ごめんなさい…」
「…ありがとう」
「…え?」
「実果子ちゃんは本気で千夏のこと思ってくれてるんだね。あいつバカだよ。でも軽蔑しないでやってな。千夏が援交しようとしたのは俺のせいだから…」
「…お兄さんの?…なんで?」
「ただいまー」
誠也だ。
実果子と晴紀は慌てて玄関へ駆け寄る。
「誠也くん!千夏ちゃんは!?」
「…早く入れよ!」
外で蟠っていた千夏を誠也は引き入れた。
「千夏!」
「千夏ちゃん!」
実果子は思わず千夏を抱きしめた。
「無事なのね?よかったぁみつかって…!」
「…きやすく触んないでよ」
千夏がつぶやいた。
実果子はビクッとした。
「千夏、実果子ちゃんずっと心配してたんだ。そんなこと言うな」