からんころん

「心配なんて…。お兄ちゃん私には足引っ張るなって言っといて、実果子ちゃんのこと一晩中縛り付けてたんだ?」

「ちがうの、私が勝手に…」

「うっせうっせ!も~俺眠いっ!」

「誠也、おまえにまで迷惑かけて悪かったな…」

「なによっ!別に探してくんなくてよかったのに!」

「あーそうかよ、バカなことしたよ俺は。ふわぁ~、眠い。俺今日休む」

「ちょっと!これ外してから寝なさいよ!」



千夏はおもちゃの手錠をはめられていた。
誠也は鍵をポケットから出して見せ、



「やだ」

「なっ…貸しなさいよ、それ!」

「ほい、おまえに任せる。ふわぁ~」

「え!?」



鍵は実果子に渡った。



「外してよっ!」

「え?あ…はい…」



実果子はあっさり外そうとするけど…



「…あれ?…あれぇ?」

「も~何やってんの!?鈍臭いなぁ!」

「しばらくそのままにしといていいよ」

「はぁ!?妹がこんなことされてんのに平気なの!?お兄ちゃんひどい!みんなひどい!!監禁してされたって訴えてやるからっ!」



千夏は喚く。



「まぁそこに座れよ」




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