からんころん
「またお説教?私のことそんなに気に入らないの!?どうせお兄ちゃん、妹の私より実果子ちゃんの方が可愛いんでしょ!」
「ははは、なんだおまえやきもちやいてたのか!」
「…あんた寝たんじゃなかったの!?」
「おめぇがぎゃあぎゃあうるせぇから寝れないんだよ!」
「なら早く私を帰してよ!」
「いいけど、父さんも母さんもカンカンだぞ。今度は俺んとこいるって言ってないからな」
「いいもん!友達んちに泊まったって言うから。ちょっとくらい叱られたって我慢するもん!こんなとこ居たくない!」
「…誠也。手錠外してやって」
「え?」
「鍵、違うみたいだから…」
「…わかった。晴さんがそう言うなら」
誠也はわざと違う鍵を実果子に渡していた。
「……はいよ」
「もうっ!じゃ私帰るから!」
「千夏!ちょっと待て」
「何ぃ!?学校遅刻しちゃう!」
「金はもう返さなくていいから、援助交際なんてするな」
千夏は、実果子を睨む。
「…なんでもかんでもお兄ちゃんに話すんだね」