からんころん

「千夏あのなぁ…」

「いい子ぶりっ子でムカつくんだよ!」

「おめぇ何言ってんだよ!?」

「あんたなんか友達だって思ったことないから!」

「おい千夏!」



千夏は出ていった。







「実果子ちゃん…」



実果子は固まっていた。




「……私、やっぱり何か勘違いしてたみたい!」

「え?」

「ずっと…勝手に友達だなんてうかれて…はは。恥ずかしいや私!」



明るく言う実果子。無理しているのは晴紀も誠也もわかっていた。



「実果子ちゃん、違うよ。千夏は…」

「ごめんなさい。…千夏ちゃんにもそうお伝えください」

「なんであんたが謝るんだよ?伝えねぇぞ絶対。なぁ晴さん」

「帰ります!どうもお騒がせしました!」

「実果子ちゃん…!」







その後、実果子は誰の前にも姿を現さなかった。




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