からんころん

「違います!」

「正直に言えば許すんだぞ」

「吸ってませんって…」



講師は実果子のバッグを取り上げ、中身を机の上にひっくり返した。


すると…封を切ったタバコとライターが出てきた。



「これはなんだ?え?」

「なんで…、これ私のじゃありません!誰かが入れたんじゃ…」

「ひどい!原口さんクラスメイトを疑うんですかぁ!?」

「最低!!」



教室中がどよめいている。


そんな中、千夏は「実果子はそんなことしない」って叫んでいたが、周りの声にかき消された。



「静かにしろっ!!」



講師が怒鳴り、やっとみんな黙った。




「原口、おまえは年齢的に吸ってもいいがな、教室で吸うな」

「私吸ってな…」

「もういいっ!!」



講師はもう、実果子には何も言わせなかった。そして…



「原口、今日はもう帰りなさい。タバコの臭いがプンプンするおまえがいるとみんな勉強が身に入らん。教室の空気が乱れる」

「そんな…!」



講師は強引に実果子を教室から引っ張り出した。



「実果子ちゃんっ」



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