からんころん

「…何がそんなにおかしいの!?」

「あいつ元からそんなにキラキラしてたか?はは、俺にはわかんなかったけど」

「してたよ!いつもニコニコしててみんなから愛されてて…」

「谷塚はおまえが思ってるようなやつじゃない。あいつは孤独だ」

「…誠也くんが言うこといつもわかんない」

「あいつはおまえと本当のダチになりたかったんだよ」

「…ははは」

「…何がおかしいんだ?」

「誠也くんも聞いてたでしょ。私なんかただ迷惑だっただけ。千夏ちゃんには私なんかじゃなくてもたくさんお友達いるじゃない。私なんか…」

「なんかなんかってうぜえんだよ!それはみんな金や物で買われたダチだ。ダチじゃねぇよ」

「…どういうこと?」






ーあいつは昔、いじめられていたことがあって、それからそういう癖がついたみたいだ。

みんなからいっせいに無視されて…

あいつなりに思いついた改善策が、金や物で人を引きつけることだった。

笑顔や振る舞いもあいつなりに頑張っていたことだろう。


みんなバカみたいにあいつに寄ってった。金や物だけを目当てに上っ面のダチを演じたりして…



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