からんころん
「それがなぁ…要するに素直じゃないんだよ、あいつ!」
「……………」
「おめぇは…いろんな嫌がらせされてもうあいつとダチやめたいか?」
「……………」
正直、実果子はわからなくなっていた。
「…ふっ、素直だなおめぇは」
「え?…そんなんじゃないよ!」
「もう今年もあと3日だぞ。おまえクリスマスもこもってたのか?さっみし~」
「う…当たってるから言い返せない…」
眉間にシワよせる実果子の顔の前に誠也は枯れ葉を差し出した。
「…何?」
「遅くなったけどクリスマスプレゼント」
「…バカにしすぎ。帰る!」
「冗談だよ!本当はこれ…」
合格祈願の御守りだ。
「晴さんから。俺ももらったんだ。ほら」
「……………」
「受験諦めたわけじゃないんだろ?」
「さぁ…」
「さぁって…こらっ!!」
「うわっびっくりした…何!?」
「おめぇはいつからそんなにふぬけになったんだ!父さんは…悲しいっ!」
誠也はヘンに演技づいている。
「…誰が父さんよ?ふっ…」
「あ、笑った。やっと笑った」