からんころん
「あの、すみません」
「な…何ですか!?」
たまたま目が合った女子高生に尋ねた。
「さっきここで何か起こらなかった!?事故とか、事件とか…」
「ええ!?い、いえ、べつに何も…」
「…そう。ありがとう」
女子高生はそそくさ立ち去った。
晴紀はますます怪しい人だと思われたようだ。
「もう家に帰ったのかな…?何だったんだ一体…」
ひとりブツブツ言いながら、晴紀は遠くに…
「………え?」
実果子が見えた。
だんだん近づいて行き、
「……幻?」
「じゃないです…」
「実果子ちゃん…」
「…お久しぶりです」
「久しぶり…って実果子ちゃん、ここにいるってことはもしかして…」
「結果…見に来たんです」
「…じゃあ実果子ちゃん受けたんだ!」
「はい、おかげさまでやっと合格がいただけました。それじゃ失礼します」
実果子は早口で伝え、さっさと立ち去った。
「え!?…ちょっと待って!」
晴紀は慌てて追いかけた。
「キャーーー」
なぜか人々がざわめき、逃げ出す者も…