からんころん
「タイミングがおかしかった?や、でも本当よかった。もしかしたら受験諦めたんじゃないかって心配してた」
「ごめんなさい、心配かけて…」
「でもすごいよ、最後ひとりで頑張って合格だもんな。結局俺は何の力にもなれなかった」
「そんなことないです!絶対に!」
いきなり力む実果子。
「あ…正直私、受験諦めてた…ていうかもう全てに投げやりになって、勉強もやめちゃってたんです」
実果子はバッグから、晴紀がくれた御守りを取り出した。
「これ、ずっと持ってたんです。お兄さんや誠也くんに励まされて私…ラストスパートまたやる気だせました。私はひとりで頑張ったんじゃないです。この何ヶ月間お兄さんから教えてもらったことを思い出しながら…やだお兄さん!」
晴紀は涙ぐんでいる。
「だって俺本当にもうだめかと…俺のせいで実果子ちゃん引きこもらせてしまって責任感じてた…本当よかった」
「…お兄さんのせいじゃないです」
「いや、俺が実果子ちゃんと千夏の仲をこじらせてしまったようなもんだ。バカだったよ俺は…」
「……千夏ちゃんは元気ですか?」