からんころん
「千夏は…」
「…?」
晴紀は言葉を詰まらせた。
「…実果子ちゃん、千夏のこと、まだ怒ってる?」
「怒ってなんかないです、最初から…。ただあの時はショックで…でも誠也くんが本当のこと教えてくれたから…」
「そっか…。千夏、あれから悪い連中に捕まってな…」
「え…?」
千夏は、あれから自分なりに反省して人を物や金でつるのはもうやめようとしてた。
そうしたら手のひらを返したように、千夏の周りには誰もいなくなった。
そんな時、千夏の買収癖を知った、街で1、2を争う不良に目をつけられて…
誰もいなくなって寂しかった千夏は…言われるがままそいつらの仲間に入った。
仲間といっても、千夏は単なる金づるにされてるだけ。
だけど、いくらうちが裕福でも高校生の千夏が使えるのは限度がある。
ある日、金が足りなくて要求を断った千夏は、今度は万引きを強要されるようになったらしく、千夏は万引きの常習犯になってしまった…。