からんころん
「それじゃ私はこれで!さよなら…」
「実果子ちゃん、付き合ってくんない?」
「え…?」
鬱憤晴らしがしたいと、晴紀は実果子を遊びに誘った。
実果子を元気づけたいのもあった。
「実果子ちゃんさぁ、いっつも濡れてるね。水も滴る良い女?」
「あ…ははは…」
「千夏と喧嘩でもしたの?」
「いえ、そんなんじゃないです…」
「そう。ならいいけどさ。…でもなんで濡れてんの?」
「…み、水遊びです。ははは!」
「…ふーん。実果子ちゃんっておちゃめだね」
「ははは……」
「さて、どこ行こうか?腹が減ったなぁ。俺らも飯食ってさぁ、カラオケでも行く?それとも…」
実果子の返事がなかった。
バックミラーにうつっていた後部座席の実果子の姿もなかった。
変に思った晴紀は車を止めて後ろを見た。
「実果子ちゃん…!?」
実果子はぐったり横になっていた。
「…………ん」
「大丈夫か?」
「………ここは」
「俺んち」
「………へ!?」