からんころん
夢のおと
気がついたのは真夜中だった。
「病院からは実果子ちゃんちより俺んとこが近かったからさ、とりあえずここに連れてきちゃったんだ」
「……病院?」
実果子は意識が朦朧として、ずっと眠っていたのだ。
「実果子ちゃん熱が40度もあったんだよ。びっくりしたよ」
「うそ…何も覚えてない…。ごめんなさい!ご迷惑おかけして…。それじゃ私…」
「おおっ…」
実果子は帰ろうと起き上がったけれど、フラフラしてよろめいた。
晴紀の支え無しでは立っているのもままならない状態。
「ごめんなさい…」
「まだ寝てろ」
「大丈夫です…これ以上めいわく…っと」
「ほらぁ、大丈夫じゃない!何も気にしなくていいから」
「う~……」
晴紀は再び実果子を寝かせた。
そして一晩中実果子に冷たいタオルを換え続けた。
そんな中、熱にうなされながら実果子は夢をみた。
千夏が急に冷たくなって、とっても悲しくて…