からんころん

ーピンポーン



千夏が来た。



「おーなんだ、朝っぱらから」

「なんだって、お兄ちゃんゆうべ迎えに来てって頼んだのにー」

「迎えに行ったらおまえがいなかったんだろうが。友達と飯食いに行ったんだろ」

「その後メール入れたじゃーん!」

「あ…、電源ずっと切ったまんまだ。はは、ごめん」

「まったくもう、私待ってたんだから…」



玄関に女もののスニーカーがあるのに千夏は気づいた。



「なにぃ?彼女いんの!?」



千夏は女の顔を拝んでやろうといそいそ上がり込んだ。



「あっ、靴ぬぎちらかすなっていつも…」







「はじめましてぇ、私妹の……実果子ちゃん!?」

「あ、千夏ちゃんおはよう」



千夏の目に髪の乱れた実果子の姿が飛び込んできた。



「えー…2人そういう関係…」

「関係?違うの。私ゆうべ塾帰りに熱が出てお兄さんが病院連れてってくれたり助けてくれたんだよ」

「…別に弁解なんかしなくていいよー!あー、そうだったの!」

「千夏ちゃん、本当に…」

「千夏、誤解すんな。実果子ちゃんに悪いだろ」

「もう、照れなくていいよぉ!へぇ~、そぉなんだー」



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